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現在と1930年代は似ているか
―― 反グローバル化、経済保護主義、ポピュリズム

マーク・マゾワー コロンビア大学教授(歴史学)

Keeping the World at Bay: Does Globalism Subvert Democracy—or Strengthen It?

Mark Mazower
イギリス人の歴史家で、コロンビア大学教授(歴史学)、専門は20世紀のヨーロッパ史など。著書にGoverning the World:The History of an Ideaがある。

2023年7月号掲載論文

第一次世界大戦後、自由貿易と国際主義的政治が批判され、関税障壁と移民規制が強化されるなか、ヨーロッパは独裁政治へ転落していった。当時の状況と現状の間には重なり合う部分も多い。実際、ポピュリストやナショナリストのさまざまな不満を背景とするトランプの台頭は、民主主義の危機を分析するために、グローバル化に反対する人々に注意を払う必要があることを初めて明らかにした。グローバル化支持派は、自由貿易と経済の自由化が民主主義拡散の基盤を提供すると主張している。だが歴史が示す因果関係はもっと曖昧だ。戦間期の混乱から当時導き出された真の教訓は、レッセフェール型経済が命取りになりかねないこと、そして政治家が、戦略的な国家リーダーシップの必要性を理解しなければならないということだ。

  • 反グローバル化と民主主義
  • 現在から過去を振り返れば
  • 過去の暗闇
  • ナショナリズムか共産主義か
  • 正しい教訓

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